ゴルフ練習場業界全体動向

掲載データについて
ここに掲載されている練習場に関するデータ、資料、グラフ、理論は、すべて当社の独自の調査、分析によるものです。これらのものを無断で使用、転載することは、著作権違反となりますので、必ず当社の承認を得てください。
(有)ケージーアール出版 (株)ゴルフ経営研究所
弊社では、毎年ゴルフ練習場業界全体の動向について調査し、4〜3月の年度単位で集計、発表している。
対象となるゴルフ練習場は、下記の定義に基づく。

2010年度全国ゴルフ練習場の実態

 (株)ゴルフ経営研究所は2010年度(平成22年度=平成22年4月〜23年3月)の「全国ゴルフ練習場の利用実態」をまとめた。
 それによると、練習場延べ利用者数はそれまで4年連続で増加していたものが一気に落ち込み、前年比510万1千人、4.9%の減少となり、1億人の大台割れし9893万6千人となった。一施設当たり利用者数も、前年度まで7年連続の増加だったが、前年比3.4%、982人減の2万7901人となった。一施設当たりは、ピークの91年度(100)から、09年度で100.6となっていたが、97.2まで後退した。不況下に健闘していた練習場業界だが、景気低迷、少子高齢化の進行、消費額の低下、猛暑に加え3月の震災と続き、一気に右肩下がりとなった。11年度も震災、原発の後遺症は続き、やや復興人気に期待されるも2桁近いマイナスが予測される。
 一方供給市場は、インドア中心で計27施設がオープンした。閉鎖は83施設となり、差し引き56施設(1.6%)が減少し、全国施設数は3546施設となった。練習場は限定された地域立脚業の特性から、市場調整が進んでいる地域と、そうでない地域の格差が拡がっている。さらに、装置産業を踏襲する旧態経営の施設と、経営刷新を積極的に進める施設の経営格差が大きくなっている。今後も増税必至の状況は、生活防衛優先、消費減退につながり、厳しい時代が続く。さらに、ゴルフ場の付帯練習場開放、大手ショップ内、フィットネスクラブ内でのスクール事業の活発化など、客の取り合いが激しくなる。改めて街に存在する練習場の在り方そのものを見つめ直し「地域ステージ」の視点で、滞在の魅力を広範囲に拡げる工夫が求められる。

「ゴルフ練習場」の定義
「ゴルフ練習場」とは、打席を有した施設で、利用料金がある場合は「会員制」「非会員制」を問わず、また打席の大小、飛距離の如何、屋内外を問わない。さらに、6ホール未満、ホールの平均距離が70m未満のミニコースも「練習場」の部類となる。コースに併設している練習場の場合は、単独でも一般営業しているケースは含まれるが、完全にゴルフ場の付帯施設としている場合は除く。
上記に関する参考資料
●2010年度 練習場の利用実態
●全国ゴルフ練習場施設数、利用者数の推移

第35回全国ゴルフ練習場経営調査結果(2011.6)

練習場の景気動向

総論
 練習場業界は、一昨年までの善戦健闘から大きく後退、昨年は来場者数、売上とも大幅に落ち込んだ。今年の景況感も震災の影響を含み「不景気」域にまで後退した。
 当社では毎年3月、練習場業界の景気動向を全国500施設からの回答を基に分析しているが、それによるとDI(景気動向指数 diffusion index ディフュージョン・インデックス。上昇(増加)回答割合から下降(減少)回答割合を引いた指数)でみる、現在の練習場経営者の「景況感」はマイナス52.2となり、昨年の9.3から61.5ポイントもの大幅ダウンとなった。
 昨年の実績値である「来場者数部門」でもマイナス49.7となり、昨年調査値の36.8より86.5ポイントダウン、「売上部門」もマイナス56.1で、昨年値の27.7から83.9ポイントの大幅後退となった。
 「景況感」では、3月の震災もあって北海道・東北がマイナス92.9と暗闇状態。唯一九州のみが0だったものの、他地域はマイナスに転落した。
 「来場者数」「売上」部門でも、これまで好調だった関東、中部、関西など大都市部の落ち込みが激しかった。昨年本欄で「中央から発したブームの波が全国的に行き渡ったかたち」と評したが、景気低迷、猛暑、震災のトリプルパンチが沈静化した大都市部どころか、地方にまで波及してしまった。見通し的にも今年一年は自粛、節電の影響が続き、来年の復興に期待するしかない。

◎景況感
 練習場経営者が捉える今年3月時点の景況感だが、「回復」回答は全体の11.3%に留まり、昨年の同様回答43.6%から大きく後退した。特に、北海道・東北は0回答と深刻ぶりが伺える。一方「下降中」回答は63.5%で、昨年の34.3%から増加。
 政治不信、消費低迷、加えて震災、電力不足の影響が色濃く反映され、先行き不安感を増幅している。
 震災の東日本は別にしても、影響はこれまで順調な関西、中部にも広がり、「下落」回答が「回復」回答を大きく上回っている。
 地方別DIは以下の通り。▼はマイナス。
・北海道・東北▼92.9(48.9ポイント悪化)
・関東    ▼59.1(68.6ポイント悪化)
・中部・北陸 ▼46.7(79.3ポイント悪化)
・関西    ▼51.2(51.2ポイント悪化)
・中国・四国 ▼57.9(73.7ポイント悪化)
・九州      0.0(40.0ポイント悪化)
 いずれにせよ今年はレジャー産業全体が試練の年になることは想像を待たない。
 特に電力不足と自粛ムードが大きく影響してくる。しかし、潜在ニーズがなくなったわけではない。
 ゴルフ人気による若年層(初心者)の増加に加え、これまで練習場敬遠層であった中間層(1970年頃からのゴルフ大衆化時代に、ゴルフを覚えた人達)が、高齢化して練習場にユーターンしていること、女性ゴルファーの増加、は今後も続く。一時的な負荷に耐えた時、その兆しが見えてくるはずだ。
 今年の「景況感」がこうした「不景気」域であっても、いや、だからこそ、打破、克服の機運を高めていかなければいけない。
 地域密着の練習場だからこそ、各々の地域の元気を促し、被災地にエールを贈るべきだ。街の必要なスペースとしての在り方を再考する契機でもある

◎来場者部門
 昨年の練習場業界の実績値から景気動向をみてみよう。
まず、景気低迷の上に猛暑もあって「来場者」部門の後退は記録的なダウンとなった。「10年実績が09年より増加した」施設の割合は全体の16.6%と、前年調査の同回答が53.9%あったことから比べると格段の差。逆に「10年が09年より減少した」施設の割合は66.3%で、こちらは前年の17.1%を大きく上回った。
特に関東の落ち込みは103.4ポイントと3ケタ台のダウンで一気に不況域に入った。また、中部、関西などの大都市圏の落ち込みが目立った。
 地方別DIは以下の通り。▼はマイナス。
・北海道・東北▼50.0(59.5ポイント悪化)
・関東    ▼66.2(103.4ポイント悪化)
・中部・北陸 ▼39.5(89.5ポイント悪化)
・関西    ▼47.6(81.0ポイント悪化)
・中国・四国 ▼42.1(69.9ポイント悪化)
・九州    ▼25.0(78.8ポイント悪化)
◎売上部門
 来場者減少、消費単価の下降のマイナス要因から「売上」部門も厳しい結果となった。
 「増加」回答は12.3%で、前年の48.4%の四分の一になり、「減少」回答は前年の20.7%から68.4%にまで増えた。
 来場者同様ここでも、関東、中部、関西の大都市圏の落ち込みが激しく、中部・北陸圏がDIでマイナス104ポイントのダウンとなった。
地方別DIは以下のとおり。▼はマイナス。
・北海道・東北▼57.1(67.1ポイント悪化)
・関東    ▼64.5(98.4ポイント悪化)
・中部・北陸 ▼58.5(104.0ポイント悪化)
・関西    ▼59.0(79.6ポイント悪化)
・中国・四国 ▼23.5(11.0ポイント悪化)
・九州    ▼42.9(78.6ポイント悪化)
 ブームの「波紋現象」が末端まで行き渡った昨年、不況、酷暑は大都市圏を直撃、業界は「悪い中での西高東低」状況。今年も東日本の震災で、この傾向が一層強まる。
 業界の復興もまた、来年以降に期待せざるを得ない。

 「練習場経営調査」は(株)ゴルフ経営研究所が毎年2〜3月に実施しているもので、今年で35回目。全国500施設の回答を集計、分析している。集計施設の地域内訳は、分布比例に準じ、北海道・東北34(集計配分6.8%)、関東165(33.0%)、中部・北陸109(21.8%)、関西107(21.4%)、中国・四国46(9.2%)、九州39施設(7.8%)。

参考資料(Excel形式)
●ゴルフ練習場の経営調査結果平均値一覧(2011年)Exel形式
 なお、「全国ゴルフ練習場の実態」の調査数値は、全国のすべての練習場の概要集計であり、調査方法、集計対象、内容が「経営調査」とは異なる。したがって、実際経営面での営業指標的なデータとしては、比較的積極的な施設が回答する「経営調査」回答を参照に、業界規模、全体の推移を判断するには後者の「実態」数値を参照にされたい。

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